こんにちは。お酒をこよなく愛するバーテンダー見習いです。
本日は意外と知られていないウイスキーの製造工程などについて書いていきたいと思います!
ウイスキー製造の全体的な流れ
製造工程はウイスキーの種類によって若干の違いがありますが、基本的には同じなので、まずは代表してモルトウイスキーの全体的な製造の流れを書いてみたいと思います。
1 大麦を発酵させて麦芽(モルト)を作る
2 麦芽を粉砕したものにお湯を加えて麦汁(ウォート)を作る
3 麦汁にイースト菌を加えて、発酵させる ※ イースト菌:パン作りなどにも使用する酵母菌のこと
4 ポットスチルで蒸留し、無色透明なスピリッツを作成 ※ ポットスチル:蒸留器のこと
5 オークの樽で熟成させる ※ オーク:楢(ナラ)の木のこと
6 瓶詰
といったものが全体の簡単な流れです!
製麦工程(工程①)
まず、原料となる大麦は、2ヶ月以上の間貯蔵し、発芽できる状態になってから水槽に浸します。
浸した大麦は数時間ごとに水抜きをするため空気に触れさせ、酸素を与える作業を繰り返し行いながら、発芽した後、乾燥させ、乾燥時にピートを燻してスコッチ特有の香りをつけていきます。
※ ピート:シダやコケ類などが堆積してできた泥炭のこと
糖化工程(工程②)
先ほど乾燥させた麦芽を粉砕し、糖化槽で熱湯と混合し発酵に必要な糖液(ウォート)を作ります。
私は、この糖液を口にしたことはありませんが、ほんのり甘く、香りが少しある程度の液体のようです(゚∀゚)
発酵工程(工程③)
先ほど作った糖液(ウォート)を20℃程度に冷却し、発酵槽(ウォッシュバック)に移し、イースト菌(酵母菌)を加えて発酵させます。
発酵は最低でも48時間を要し、長いところでは70時間程度かけて行います。
発酵終了後は、アルコール分約8%程度のもろみが完成します。
※ もろみ:原料が発酵した柔らかい固形物のこと
蒸留工程(工程④)
完成したもろみを単式蒸留器(ポットスチル)に入れて加熱し、気化したアルコール蒸気を冷却し、液体にして濃度を高めます。
モルトウイスキーでは、これを2回行うのが一般的になっています。
写真が蒸留器(ポットスチル)です!
モルトウイスキーなどの蒸留に使用するものは、全て銅製になっています!各蒸留所では様々な形のポットスチルがあるのも特徴ですね!!
熟成工程(工程⑤)
ここまでの工程で作られた液体は度数がかなり高いため、加水して約65%程度に落とした後、オーク樽に詰めて熟成します。
熟成期間は、スコッチであれば最低3年は義務付けられているので、ここから少なくとも3年経たなければ、原酒と会うことができなくなります!
少し寂しいですが、3年後は豊かなフレーバーとともに出てきてくれるので、ひたすら待ちます( ´∀`)
樽から出る成分がスピリッツと反応を起こして、最高の香りを出します。もはや芸術です!
ヴァッティング工程(工程⑥)
時が流れて、いよいよご対面になります!
この時、熟成庫内のどこに置かれていたのか、何段目だったのかなどの違いでも味に変化があります。
熟成を終えたウイスキーは、大桶に集めてミックスし、その後瓶詰め作業となります。
ウイスキーが琥珀色になる秘密(補足)
ここまで読んでいただければ、何となくお分かりの方もいらっしゃるかもしれませんが、
ウイスキーは決してはじめから琥珀色ではなく、先ほど紹介した熟成工程(工程⑤)の中で色が琥珀色に変化していきます。
熟成前のオーク樽に詰める段階では無色透明の液体だからです。
つまり、
ウイスキーは無色透明の液体から樽での熟成期間に琥珀色に変化する
ということです。数年の時とオーク樽が織り成す魔法ですよね!
おわりに
本日はウイスキーの製造工程などについて書かせていただきました( ^ω^ )
最後まで読んでいただきありがとうございました!